腎臓の病気と漢方薬

【急性・慢性腎炎と漢方薬】
漢方では、急性・慢性で薬を使い分けることはせず、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、疲れやすくて頭に汗をかきやすく、動悸がする人に は、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、口が渇いて、夜間に小便が近い人には八味丸(はちみがん)、小便があまり出ず、むくみがひどい人には
五苓散(ごれいさん)を使用します。

【ネフローゼと漢方薬】
漢方では、腎炎もネフローゼも特に区別せず、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、蛋白尿があり、むくみがひどく、お腹がはって便秘気味な 人には茵ちんこう湯(いんちんこうとう)、脇腹が張って、口の中が苦く、吐き気がある人には小柴胡湯(しょうさいことう)を使用します。

【腎・尿路結石と漢方薬】
尿路結石には、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石などがありますが、漢方では、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、口の渇き、血尿がある人は猪苓湯(ちょれいとう)、痛みが激しく、腹痛をともなう人には芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使用します。

【腎盂炎と漢方薬】
腎盂炎は、腎盂に細菌が感染して起こる病気ですが、漢方では、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、残尿感があって、排尿痛がある人は、猪 苓湯(ちょれいとう)、腎臓部に痛みがあって、吐き気、口の中の苦味がある人は、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を使用します。

【膀胱炎と漢方薬】
膀胱炎は、膀胱の細菌感染によって起こる病気ですが、漢方では症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、例えば、口が渇いて、排尿痛、残尿感が強い人には、猪苓湯(ちょれいとう)、冷え性で疲れやすく、動悸がする人には眞武湯(しんぶとう)を使用します。

難病と漢方薬

【膠原病と漢方薬】
膠原病には、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・シェーグレン病などがありますが、漢方では、症状や体質で薬を決めていきます。特に膠原病の場合、漢方的には”お血(おけつ:からだの中の悪い血)”に原因があると考えます。よって、お血(おけつ)の原因となる砂糖類、動物性脂肪、スナック菓子類は止めなければなかなか治りません。また、リウマチなどで痛みがひどい場合を除いては、運動をお勧めします。運動は血液の循環をよくして代謝を高めますので、からだのお血(おけつ)の特効薬になります。漢方薬としては、お血(おけつ)を除く桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)をよく使います。

【癌と漢方薬】
癌は、悪性度の強いものから弱いものまでさまざまですが、漢方が効くのは悪性度の低い段階ですので、なるべく早い段階で服用していくことをお勧めします。漢方では、癌もお血(おけつ)からだの中の悪い血)”が原因で起こると考えます。ですので、薬もお血を除くものが主流になります。