成人病と漢方薬

【糖尿病と漢方薬】
漢方では、単に血糖を下げるのではなく、からだ全体のバランスを考えて薬を作ります。例えば、すい臓が弱っているときには、すい臓の働きを助けるものを 使ったり、からだの新陳代謝(糖代謝)が落ちているときには、新陳代謝を高めるものを使ったりします。また、症状によっても薬を使い分け、のどの渇きが激
しい人には、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、夜間の小便が近い人には、八味丸(はちみがん)というふうに使い分けます

【通風と漢方薬】
痛風は、血液中に尿酸が増え、親指の付け根(関節)に激しい痛みと腫れを起こす病気です。漢方では、体質により薬を使い分けます。例えば、食べすぎ飲みす ぎでお腹がはって便秘しやすい人には大柴胡湯(だいさいことう)を使ったり、神経質で疲れやすく、首から上に汗をかきやすい人には柴胡桂枝乾姜湯(さいこ
けいしかんきょうとう)を使ったりします。

【高脂血症と漢方薬】
コレステロールや中性脂肪が高い場合、漢方では、血の循環をよくして、新陳代謝(脂質代謝)を高めたり、大便の出をよくしたりします。ただ、むくみがあっ たり、蛋白尿が出たりする場合は、ネフローゼ(腎臓病)の可能性もあるため注意が必要です。漢方では、柴胡(さいこ)の入ったものをよく使用します。

子供の病気と漢方薬

【おねしょ(夜尿症)と漢方薬】
漢方では、おねしょになる原因として、虚弱体質や精神的影響を考えます。虚弱体質には、小建中湯(しょうけんちゅうとう)という漢方薬を使います。また、精神的ストレス等があったり、神経質な子供には、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)をよく使用します。

【夜泣き・ひきつけと漢方薬】
子供は、まだ自分の感情を上手くコントロールできないため、急に神経が高ぶったりします。ヒステリックに泣き叫ぶ子供には、甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)をよく使います。

【歯ぎしりと漢方薬】
歯ぎしりは、ひきつけと似ており、神経の高ぶりで起こります。漢方では、からだをリラックスさせていく抑肝散(よっかんさん)をよく使用します。

【虚弱体質と漢方薬】
胃腸が弱い子供は、下痢をしやすく、疲れやすくて太りにくかったりします。また、風邪を引きやすかったり、鼻血が出やすかったりします。漢方では、胃腸に力をつけていく小建中湯(しょうけんちゅうとう)をよく使います。