卵巣チョコレートのう腫と漢方薬(29歳の女性)

29歳の女性。10代のころより生理痛に悩まされる。鎮痛剤を服用。昨年より不正出血が出るようになり、病院へ行くと卵巣チョコレートのう腫と診断された。左卵巣(2cm×2.5cm)、右卵巣(4cm×5cm)で、少し様子を見て手術も勧められたようですが、その前に漢方薬でなんとかならないかとご相談にみえられました。

顔色は色白、やせ型、冷たい牛乳、アイスクリームなどを好み、疲れやすく貧血気味です。顔には吹き出物があり、普段は便秘で時々下痢します。

漢方薬の当帰建中湯(煎じ薬)と排膿散料(煎じ薬)をお出ししました。しばらく服用していくと、顔に吹き出物がたくさん出てきました。漢方は、これを好転反応と考えます。卵巣の膿が皮膚に出てくると解釈します。その後、吹き出物は止まり、生理痛が軽くなりました。そのまま約半年間服用後、病院へ行ったところ、右卵巣のチョコレートのう腫が(2cm×2cm)まで小さくなっていました。医師は「考えられない」という反応だったようですが、漢方ではたびたびこういうことが見られます。その後も漢方薬を服用されていますが、再発は見られていません。

不正出血と漢方薬(23歳女性)

23歳の女性。3年前より不正出血が続いているといいます。一時、病院でホルモン剤を飲んで整えたこともあるようですが、また再発し、ホルモン剤を飲み続けることに抵抗があったため、漢方で治したいとご相談にみえられました。

顔色は青白く、目の下のクマがあります。貧血、低血圧気味で、大便は4~5日に1回、小水は近く、冷えると頻尿気味になるといいます。また、月経痛があり、月経が終わっても、だらだらと出血が続くといいます。

漢方薬の苓姜朮甘湯(煎じ薬)と芎帰膠艾湯(煎じ薬)を調合しました。1か月後、体が温まり、冷えや頻尿が改善しているといいます。2か月後、月経痛が改善し、不正出血が出る日が少なくなってきたといいます。その後も漢方薬を継続し、半年後には不正出血はきれいになくなり、月経痛も起きなくなりました。