口内炎と漢方薬(茯苓飲加半夏:ぶくりょういんかはんげ)

35歳男性 身長174cm体重70kg

3~4年前より繰り返し口内炎ができる。ひどいと一度に4~5個でき、痛みもひどい。患部は白く、熱い物や酸っぱい物でしみる。一度できると治るのに2週間くらいかかる。体質的には、時々胃もたれを起こし、昼食後眠くなる。また時々胃痛もある。肩こり、足の冷えあり。小便は寒いと近い。また、寝不足やコーヒーを飲むと口内炎が悪化する。

漢方薬の茯苓飲加半夏を処方。飲み始めて2週間位した頃から痛みが少し和らぐようになり、3ヶ月くらい続けた頃から、新しくはできなくなった。それ以降は、ストレスや寝不足でたまにできることもあるが、この漢方薬を飲むとすぐに治る。

歯ぎしりと漢方薬(抑肝散:よくかんさん)

28歳女性 身長157cm体重48kg

4~5年前より睡眠時に歯ぎしりをするようになった。朝起きるとあごが疲れており、ひどいと自分の歯ぎしりの音で目が覚めることもある。歯医者でマウスピースをもらいつけて寝ているが、歯ぎしりは治らない。体質的には、肩こり、イライラ、熟睡できない、足の冷えなどがある。また性格的には気が短い、せっかち、職場では人に気を使いすぎる、などの特徴がある。

漢方薬の抑肝散(よくかんさん)を処方。飲み始めて1~2週間たった頃から良く眠れるようになり、歯ぎしりも軽減。朝起きたときのあごの疲れも無くなった。約3ヶ月飲んでから歯ぎしりはほぼ消失。それ以降は調子が悪くなると抑肝散を飲むとすぐに治るようになった。

漢方では、歯ぎしりは身体の中の”気”のバランスが崩れていると考える。性格的に生真面目だったり、せっかちで気が短かったり、または自分の思うとおりにならないことが続いたりしたときに、神経がいらだち、夜間にがりがりと歯ぎしりをしてしまう。抑肝散は、神経のいらだちをなだめ、身体をリラックスさせて”気”のバランスを整えて歯ぎしりを改善する。