アトピー性皮膚炎と漢方薬

30歳の女性。2年前より、肘の内側から手首にかけて湿疹が出始めた。病院でアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイドの入った軟膏をつけていたが改善が見られず、漢方薬で治したいとご相談に見えられた。アトピーは、主に上半身で、首や背中にも出ている。患部は黒く色素沈着している部分と赤く炎症が起きている部分があり、ガサガサと皮が分厚くついている。体質は、アレルギー体質があり、鼻炎や蓄膿症になりやすいという。体型は、やや痩せ型で、神経を良く使うという。漢方薬の荊芥連翹湯(煎じ薬)を調合。飲み始めると、一時的にアトピーは悪化し、汁がジュクジュクと出た。これは漢方のメンゲン反応で、アトピーの原因となるリンパの毒を排出させる。その後2か月。メンゲンは終わり、皮がむけて皮膚がきれいになり始める。それから半年間服用で、だいぶ改善はみられたが、まだ若干の水疱状湿疹がでるので、漢方薬を小柴胡湯(煎じ薬)にかえて服用。その後、湿疹は見られなくなり、約1年の服用でアトピーは出なくなった。