アトピー性皮膚炎と漢方薬(35歳女性)

1年前に職場が変わり、それ以来、アトピー性皮膚炎が出始めたといいます。場所は、両肘の内側、首の周り、頭皮に主に出ていて、腕や太ももにも少し出ています。病院でステロイド剤をもらって付けたようですが、なかなか改善が見られず、長期間付けるのも抵抗があって、漢方薬のご相談に見えられたようです。

顔色は、少しあさ黒く、肌が乾燥しています。アトピーの部分は、湿疹が赤くジュクジュクしていて、そのまわりはやはり、あさ黒く乾燥しています。体質は、汗をかきやすく、そのわりに冷え性だと言います。また、吹き出物やとびひもできやすいといいます。

漢方薬の桂枝加黄耆湯(煎じ薬)を処方。飲み始めると、アトピーの部分から汁が出始め、身体全体が赤く湿疹が拡がりました。しかしこれは、漢方薬特有の反応であるメンゲン反応であるため、引き続き継続してもらいました。メンゲン反応は、体内の毒(リンパ液等)を排出させ、アトピーを根治させる反応です。飲み始めて約2ヶ月が経った頃、ようやくジュクジュクした汁が出なくなり、患部は乾燥してポロポロとむけ始めてきました。それからさらに1ヵ月後、患部はほぼ改善され、新しく湿疹が出ることはなくなりました。念のため、その後もしばらく漢方薬を継続してもらいましたが、アトピーは全く出ず、約1年で完治いたしました。