小児アトピーと漢方薬(4歳女児:身長118cm体重16kg)

1歳の頃より、肘の内側、首の周りにアトピーが出始めた。昨年まで、病院でもらったステロイド剤を塗っていたが、最近、膝の裏側や顔にもアトピーが出始めたため、漢方薬で体質改善をしてみようとご来店された。

肘の内側と首の周りは、お年寄りの肌のようにガサガサとして黒ずんでおり、ところどころ赤く炎症して、場所によってはジュクジュクしている。この黒ずんでガサガサしているのはステロイド剤によるものと思われる。また、汗をかくと非常に痒いらしく、夏場は夜中に何度も起きると言う。顔色は、あまり良くなく、目の下には黒っぽいクマが出来ている。大便は1日に1回。小水は1日5~6回。甘い物を好み、アメやチョコレートを食べ、夏場は時々ジュースやアイスクリームを食す。性格は、学校ではおとなしめだが、家では兄弟げんかをよくしている。食事は、やや野菜不足で、他の兄弟より少食である。

漢方薬は、甘い物を好むことや目の下のくま、皮膚の黒ずみ等から、肝臓の解毒を助ける柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を処方し、ぬり薬で皮膚の再生を促す紫雲膏(しうんこう)を付けてもらうことにした。また、甘い物を極力減らすようにお願いした。飲みはじめて1ヶ月、皮膚を見せてもらうと、赤みが少し減っており、痒みが前より良いと言う。さらに1ヶ月後、赤みはだいぶ良いが、肌のガサガサは変わらないが、顔色が良くなっており、目の下のくまもなくなっている。さらに1ヶ月、ガサガサしていた皮膚の皮がむけ始め、中から白い肌が出始めた。痒みはひどくなっていたが、これは、皮膚が再生している時に起こる痒みですとお伝えし、さらに継続してもらうと、次第の皮がむけて皮膚が綺麗になっていった。それから約2年、皮膚は綺麗なり、アトピーは全く出なくなった。