腎臓機能低下と漢方薬(78歳の男性)

78歳の男性。病院の検査で、腎臓機能が低下しているのが分かり、漢方のご相談に見えられました。クレアチニン2.3㎎/dl、尿酸8.6㎎/dlで、自覚症状は特にないといいます。既往歴に前立腺がんがありますが、こちらは治療済みで問題ないといいます。夜間尿3~4回、残尿感はあります。また、皮膚に赤い湿疹が出やすく、痒みはかなりあるといいます。

漢方薬の黄連解毒湯と八味地黄丸を調合。飲み始めていくと、夜間尿が減り、皮膚の湿疹も徐々になくなっていきました。3か月後の検査で、クレアチニン1.98㎎/dl、尿酸7.8㎎/dlに改善されました。その後も漢方薬を継続し、1年後にはクレアチニン1.36㎎/dl、尿酸5.8㎎/dlまで改善されました。それから約10年たった現在も漢方薬を継続中ですが、腎機能は悪化せず、透析をしなくて良い状態が続いています。

タンパク尿と漢方薬(51歳女性)

51歳の女性。3年くらい前よりタンパク尿が出始めたといいます。尿中アルブミンは徐々に増えてきて、現在は380㎎まで上がり、心配になって漢方のご相談にみえられました。体質は、148cmの体重65kg とやや肥満気味で、血糖値もやや高く、血圧も160~90あり、降圧剤も飲んでいます。

漢方薬の小柴胡湯(煎じ薬)を調合しました。飲み始めて1ヵ月後、尿中アルブミンが200㎎まで下がりました。さらに1ヵ月後、尿中アルブミンが25㎎と正常域に入りました。その後も定期検査をされていますが、特に問題ありません。