膀胱炎と漢方薬

52歳女性 身長164cm体重59kg

3年前より膀胱炎を繰り返す。毎回抗生物質を飲めば治るが、また疲れが溜まったり、寝不足が続いたりすると尿量が減り、残尿感や排尿痛が起こる。ひどい時は血尿が出ることもある。

体質的には、冷え症で疲れやすく、疲れが溜まると小水の調子が悪くなる。夜間尿も2~3回あり、すっきりとでないこともある。また、神経質なところもあり、時々夜眠れないこともある。

漢方薬は猪苓湯(ちょれいとう)を処方。飲み始めてすぐに小水がよく出るようになり、しばらく続けていると、膀胱炎を起こさなくなった。また、小水が気持ちよく出るようになったせいか、夜もぐっすりと眠れるようになった。

腎臓の病気と漢方薬

【急性・慢性腎炎と漢方薬】
漢方では、急性・慢性で薬を使い分けることはせず、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、疲れやすくて頭に汗をかきやすく、動悸がする人に は、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、口が渇いて、夜間に小便が近い人には八味丸(はちみがん)、小便があまり出ず、むくみがひどい人には
五苓散(ごれいさん)を使用します。

【ネフローゼと漢方薬】
漢方では、腎炎もネフローゼも特に区別せず、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、蛋白尿があり、むくみがひどく、お腹がはって便秘気味な 人には茵ちんこう湯(いんちんこうとう)、脇腹が張って、口の中が苦く、吐き気がある人には小柴胡湯(しょうさいことう)を使用します。

【腎・尿路結石と漢方薬】
尿路結石には、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石などがありますが、漢方では、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、口の渇き、血尿がある人は猪苓湯(ちょれいとう)、痛みが激しく、腹痛をともなう人には芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使用します。

【腎盂炎と漢方薬】
腎盂炎は、腎盂に細菌が感染して起こる病気ですが、漢方では、症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、残尿感があって、排尿痛がある人は、猪 苓湯(ちょれいとう)、腎臓部に痛みがあって、吐き気、口の中の苦味がある人は、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を使用します。

【膀胱炎と漢方薬】
膀胱炎は、膀胱の細菌感染によって起こる病気ですが、漢方では症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、例えば、口が渇いて、排尿痛、残尿感が強い人には、猪苓湯(ちょれいとう)、冷え性で疲れやすく、動悸がする人には眞武湯(しんぶとう)を使用します。