月経前症候群(PMS)と不妊症

Sさんは、お子さんを考えて2年になります。3年前の流産で精神的に大きなショックを受けてしまい、いつも鬱々してしまいがち。手の平がほてり、冷えのぼせがあり、疲れやすい。血圧は100、50と低血圧気味。小便は日に6回、大便は2−3日に1回。めまいがあり、唇は乾燥していました。冷たい物を欲しがり、肩の凝りがひどく腰が冷え、生理は28日周期で順調。甘いものを多く食べてしまう。

温経湯を服用して1ヶ月、手の平のほてりが解消し、何もしないのに体重が1.5kg減りました。さらに1ヶ月でお腹が温まり皮膚がツルツルしてきました。体調が大変よくなってきた矢先、生理前に寒さを感じたと思ったら突然顔が熱くなり、ドキドキして汗が出てきたそうです。頭痛、肩こり、首筋のこりもひどい。Sさんは、流産後の神経症状が悪化してきたのだと不安になっていました。この症状は「往来寒熱」です。「柴胡」が主薬の柴胡桂枝湯に変更しました。その後すぐに症状は消え生理がきました。ご懐妊の報告を受けたのはその1ヶ月後でした。

月経不順と漢方薬…29歳の女性

元々月経不順でホルモン治療をしていたようですが、ホルモン治療を止めてから、まったく月経が来なくなったといいます。これまでにも、漢方薬(当帰芍薬散、温経湯)を服用してきたといいます。体質は、舌ビラが白く苔があり、肩こり、イライラ、足の冷えがあります。軽い胃炎もあります。

漢方薬の桂枝茯苓丸を調合。飲み始めて3か月が経っても効果が出ません。そこで漢方薬を小柴胡湯に変えました。1か月後、ずっと出ていなかったおりものがでてきたといいます。さらに1ヵ月後、3年ぶりに月経が来たといいます。そのまま漢方薬を服用。次の周期も月経があり、その後も28~30日周期で月経が来るようになりました。