夜尿症(おねしょ)と漢方薬

7歳男児 身長116cm体重20kg

おねしょの回数は週に3~4回。季節はあまり関係ない。体質的には痩せ型で太りにくく、飲み物を良く好んで飲む。また、他の子供に比べると疲れやすく、乗り物酔いを起こしやすい。性格は温厚でおとなしい。大便は1日に1~3回。ときどき鼻血が出る。

漢方薬の小建中湯(しょうけんちゅうとう)を処方。味は甘くて飲みやすいという。飲み始めていくと、大便の回数が1日1回になり、鼻血は出なくなったが、おねしょは変わらず続いた。そして半年ぐらいが経った頃から次第に顔色が良くなり疲れにくくなった。そしてその頃からおねしょの回数も減り始め、1年が経過したぐらいにはほとんどおねしょは起こらなくなった。

小建中湯は、胃腸虚弱児の成長を助け、夜尿症やアレルギー体質、鼻血、乗り物酔いなどを改善する。

子供の病気と漢方薬

【おねしょ(夜尿症)と漢方薬】
漢方では、おねしょになる原因として、虚弱体質や精神的影響を考えます。虚弱体質には、小建中湯(しょうけんちゅうとう)という漢方薬を使います。また、精神的ストレス等があったり、神経質な子供には、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)をよく使用します。

【夜泣き・ひきつけと漢方薬】
子供は、まだ自分の感情を上手くコントロールできないため、急に神経が高ぶったりします。ヒステリックに泣き叫ぶ子供には、甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)をよく使います。

【歯ぎしりと漢方薬】
歯ぎしりは、ひきつけと似ており、神経の高ぶりで起こります。漢方では、からだをリラックスさせていく抑肝散(よっかんさん)をよく使用します。

【虚弱体質と漢方薬】
胃腸が弱い子供は、下痢をしやすく、疲れやすくて太りにくかったりします。また、風邪を引きやすかったり、鼻血が出やすかったりします。漢方では、胃腸に力をつけていく小建中湯(しょうけんちゅうとう)をよく使います。