不眠・うつの漢方薬(37歳女性)

身長150㎝、体重48kgのやせ型で、気分が沈みやすく、思い悩むことが多い方でした。寒がりで手足の冷えを感じやすく、喘息や胃の弱さもありました。不眠の症状としては熟睡できず、途中で何度も目が覚め、多夢が多く、低血圧(90/50)で立ちくらみや頭痛、唇の乾燥、アレルギー性鼻炎、生理不順などもみられました。また、過敏性大腸炎の症状を伴い、冷えによる下痢をしやすい傾向があり、現在、睡眠薬や抗うつ薬を服用中です。

半年にわたり病院で処方された薬を服用されていましたが、症状の改善は見られず、夜間に2時間ごとに目が覚める状態が続いておりました。本人の希望により抑肝散を60日間服用して頂いたところ一時的に眠れるようになったものの、再び途中覚醒が増えてしまいました。その後、過敏性大腸炎の悪化、腹部の張りや便秘、腹痛が現れたため、自家製煎じ薬の小建中湯に切り替えました。

服用開始から15日後には、腹部の張りや便秘、不眠が劇的に改善し、患者様の表情にも笑顔が戻りました。30日後には病院で処方されていた漢方薬をすべて中止し、75日後には症状が安定、現在は、服用量を徐々に減らしています。

小建中湯は、一般的には太陰虚証の方に使用される薬方ですが、相性が良いと非常に大きな効果が期待できます。主成分である膠飴と芍薬は「腹中急痛」を改善する働きを持つため、生薬の品質にこだわることが重要です。特に、膠飴は糯米由来のものを、芍薬は自家製の無農薬のものを使用しております。さらに、「手足のほてり」「動悸」「虚弱」「喉や口の乾燥」といった症状にも適しており、五感が敏感で動悸を感じやすい方にも有効であると考えています。