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無農薬野菜です。義母が作ったものです。やはり本物の味は違います。


ノルウェーからのお便り
紫雲膏
むつごろう八選茶

第55回 日本東洋医学会学術総会

2008年08月27日

第55回 日本東洋医学会学術総会にて、「紫雲膏の製剤学的性質とごま油の化学的症状について」を発表しました。以下にその内容をご紹介します。

1.はじめに

紫雲膏は、やけどや、とこずれに極めて有効な軟膏であることは、ご承知の通りであります。私どもは、紫雲膏のルーツをたどり、また、化学的な成分の融点を調べて、紫雲膏に用いる生薬の投入を考え、また製造過程のごま油の温度を上げる理由、そして、本品の軟膏基剤の組成についても深く掘り下げて、紫雲膏を製造していました。さて、紫雲膏のルーツは大平恵民和剤局方に出典されている神効当帰膏(胡麻油、黄蝋当帰)からはじまり外科正宗の潤肌膏(+紫根)そして華岡清洲の紫雲膏(+豚脂)となりました。

2.方法

セサミン、セサモリンなどのリブナン類が含まれ、安定度の高いごま油を180℃まで煮詰め、蜜蝋と豚脂を加え、240℃に上げ、撹拌し180℃に下げ当帰を投入、6分30秒油で揚げた後、140℃(アセチルシコニンの融点)で紫根を投入して、約2分揚げ、炉追し冷やして固める。(湿度の高い雨の日は避ける。ごま油に水が入らないように注意する)

※1. 240℃まで温度を上げる為、昔、刀を作る時使用した鞴による火力を応用した。

※2. ごま油の温度を上げる理由は、抗酸化物質が多く生成させると報告されている安定度の高いごま油を、より安定させ、アセチルシコニンの作用を安定的に保たせる為。

※3. 軟膏基剤の組成は、生薬の紫根と当帰を除いたものが、本品の軟膏基剤である。この内、ごま油は植物油であり、植物油と蜜蝋の組み合わせは単軟膏そのものである。単軟膏は鉱物油又は、動植物油と、るう類を合わせたもので、油脂性基剤に属する。油脂性基剤は、全ての皮疹の症状において使用可能であり、特に鱗屑結痂においては最も適した基剤である。本方が俗にさめ肌と呼ばれる乾燥肌や、ひび、あかぎれに用いられるのは、その軟膏基剤からも十分に理解できる。しかし軟膏は湿潤性疾患の水疱潰瘍により効果を発揮する。これは軟膏基剤に加え、紫根当帰の薬能によるとこが大きい。

3.薬理作用

紫根…血管透過性促進、浮腫などの急性炎症反応を抑制、肉芽形成促進、抗菌作用。
当帰…潤気、鎮痛作用、体表の血流を促す。

4.症例

さて、以上の症例からも分かるとおり、紫雲膏は火傷、凍傷、じょくそう、といった方面で独特の効果を発揮します。中でも火傷に対しては際だって著効を示しますが、ここでの抗炎症作用はステロイド剤とも異なる一種独特の効果であります。そしてその主用を担っているのは、本方の含薬である紫根であります。それ故、紫雲膏の製造においては、ことのほか紫根の抽出に神経を使う必要があるのです。紫根の抽出については、ご存じの方もおられると思いますが、主成分であるアセチルシコニンのmpに合わせるべきで、142℃を越えずに、且つ短時間で抽出します。また、先ほど申し上げましたアセチルシコニン自体が抗酸化物質でもある為、その基剤が安定していないと抗炎症作用の効果が落ちると考えられ、このことからも、ごま油を240℃に上げる必要性がでてまいります。

5.まとめ

私たちは、紫雲膏と同じく火傷やとこずれの治療で使われている生薬由来のアズノール軟膏に着目して、本当にアズレンの溶点を調べてカミツレを入れたものも作ってみました。その軟膏はたいへん色つやがよく、個人的に、より効き方も良かったことを覚えております。今日私たちは紫雲膏の作り方を通し、その過程1つ1つの意味を学びました。これから、例えばその成分の溶融点を考えて、さらに新しい発展ができればと思っております。