糖尿病と漢方薬(57歳男性:身長170cm体重58kg)

5年目に十二指腸潰瘍を患ってからその後、血糖値が上がり始め、現在はHbA1Cが9.1% あり、インシュリンを勧められたが、その前に漢方薬でなんとかならないかと来局された。

体質は、のどの渇きあり、夜間頻尿(4~5回/日)、足の冷え・しびれ感、腰痛、疲れやすい、太れないなど、糖尿病体質である。以前は、アルコールも飲んだが現在は止めており、食事は気をつけているという。

漢方薬の八味地黄丸料(煎じ薬)を処方。1ヶ月飲むと、夜間尿が2~3回に減り、のどの渇きも軽減。さらに1ヵ月後、 HbA1Cが8.8%に下がり、疲れにくくなったと喜ばれる。さらに3ヵ月後の検査でHbA1Cが7.6%まで下がり、体重も60kg になり、体力が出てきたという(夜間尿もなくなる)。その後、HbA1Cは徐々に下がり、漢方薬を飲み始めて1年半後の検査で6.0%になり、その後も漢方薬を継続しているが、HbA1Cは安定している。

高脂血症と漢方薬(45歳女性:身長159cm体重63kg)

健診で血液検査を行ったところ、総コレステロールが298mg/dl(悪玉LDLが172mg/dl)、中性脂肪が232mg/dlあり、医者に薬を勧められたが、一度飲み始めるとずっと飲むようになり、副作用も心配なため、漢方薬で何か良いものはないかとご相談に見えられた。

体格は太めで、甘い物(あんこ等)や肉料理、ラーメンなどをよく食べるという。大便は2日に1回でお腹が膨らんでいる。顔にはシミが多く見られている。特に大きな病気はしたことがなく、血圧はやや高めだが薬を飲むまでではない。運動はウオーキングをほぼ毎日30分~1時間ほどしているという。

漢方薬の大黄牡丹皮湯を処方。それと、なるべく肉料理や甘い物を控えてもらうようにお伝えした。飲み始めていくと、大便が良く出始め、始めに真っ黒い悪臭のある大便が3日ほど続いたという。その後は普通の便になり、毎日たくさん出るという。その後も継続してもらうと、3ヵ月後にはお腹まわりがへこんできたといわれ、体重も3kg落ちたと喜ばれた。漢方薬を飲み始めてから1年後、血液検査を行ったところ、総コレステロールが213mg/dl(悪玉LDLが122mg/dl )、中性脂肪が118mg/dlまで改善。その後も漢方薬は継続されている。