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漢方勉強会・無門塾 「膠飴」について

2017年11月13日

平成29年度・無門塾(第21回11月)北里大学薬学部(港区白金)【平成29年11月12日13時30分〜14時00分】                                                     

                                                                                                            無門塾 鈴木 寛彦

 

薬徴提要 「膠飴」

 

選品

もち米を麦芽で糖化した飴が良い。色は琥珀で心地よく甘い。

 

作り方

糯米一斗(18ℓ:一斗=10升)を一昼夜水に浸し、これを蒸して仕込桶に入れ、麦芽一升五合(2.7ℓ)を混和し、約70度のお湯五升(9ℓ)を入れて撹拌し、蓋をして一晩放置すると糖化する。(冬期は湯たんぽ、温度が上がると、酸敗する)

 糖化したものを布濾しして、48時間かけて静かに煮詰める。麦芽の量が多すぎると赤みが強くなる。

 麦芽は大麦を一晩風呂上がりの湯に浸けて莚(むしろ)に包んで発芽したもの。

(きぐすり曼陀羅、漢法ルネサンスより)

 

薬徴提要  :  内虚して血行渋滞するものを治す。(血脈を寛大にする)

 

古典の記載

 味甘温、虚乏を補い、気力を益し、痰を消し、嗽を止め、五臓を潤す。(吉方薬議)

味甘温、気を益し、中を緩め、脾を健かにし、肺を潤す。(薬性提要)

味甘温、急を緩め,力を与う、故によく裏急を治し、腹痛を和す(新古方薬嚢)

腹中の凝血を和潤する力に優れている。(田畑隆一郎)

膠飴は、小建中湯と大建中湯に含まれる。小建中湯は、桂枝湯に芍薬を倍量にした桂枝加芍薬湯に膠飴を加えたものである。それでは膠飴の働きは、数学的に考えて小建中湯の働きから桂枝加芍薬湯の働きを引いたものと考えたら答えが出そうであるが、傷寒論中ではその効果の差ははっきりしない。

 傷寒論中の桂枝加芍薬湯(傷寒論・太陰病篇288)は、太陽病中編34章の「太陽病、桂枝の證、醫反つて之を下し・・・」を承けて、太陰病に転じたものである。その証は、誤治による腹満と痛みである。

 それに対して小建中湯の証は、以下の通りである。

 

傷寒、陽ハ脈歰、陰ハ脈弦、法當ニ腹中急痛スベキ者ハ、先ズ小建中湯ヲ與ウ。差エザル者ハ、小柴胡湯ヲ與ヘテ之ヲ主ル。(傷寒論・太陽病中篇104)

傷寒、二三日、心中悸シテ煩スル者ハ、小建中湯之ヲ主ル。(傷寒論・太陽病中篇107)

  まず、104章では、99章(少陽の正証並びに小柴胡湯の主治)の中の「或腹中痛」の句を受けて、攣急腹痛するのが小建中湯で、癒えないものは小柴胡湯と言っている。107章は小建中湯の正証で、発病2、3日にして、心胸間の動悸、煩悶するもの。

  両証における共通点は、「内虚により血行渋滞する」ことである

 桂枝加芍薬湯と小建中湯は、筋中の血行渋滞と血脈の血行渋滞の差となる。吉益東洞の「方極」では、桂枝加芍薬湯は「桂枝湯証にして腹拘攣甚だしきものを治す」と言って、小建中湯は「桂枝加芍薬湯証にして、急迫症状甚だしきものを治す」と言わず「裏急、腹皮拘攣、及び急痛するものを治す」と言っている。また、付け加えるならば、奥田先生の傷寒論講義で小建中湯の甘草の量が2両ではなくて3両になっていることも参考にしてみると、この二薬方は、別な流れで考えた方が良いのではなかろうか。要するに、小建中湯を考える上で桂枝加芍薬湯の方意が、飴を入れることによって別な薬方に変化すると考えられる。私の漢方相談に置いて小建中湯は、腹痛、生理痛、疲労感、貧血、不妊症、胃炎、便秘、皮膚病、気管支喘息、など多くの疾患に応用しているが、桂枝加芍薬湯は、腹満、しぶり腹と腰痛に使用するぐらいである。このことからも「膠飴」の働きはよくよく考えていかなければならないと思う。

筋中の血行渋滞と血脈の血行渋滞

 もう少し深く考察してみると、桂枝加芍薬湯は、誤治により下利止まらず、陽気脱して、水血が不和を生じ、血分の変を生じて腹満している。これは、ひどい下痢で腹直筋や、腸の平滑筋が収縮して血行渋滞している様で、一方小建中湯は、元来元気欠乏し勢力衰憊している人が傷寒に犯されて、血脈が収縮して渋滞するもので、両者の治療は異なるものと考える。

桂枝加芍薬湯の甘草を増やさないで、膠飴を入れる理由 

 もし、桂枝加芍薬湯証で、腹痛の症状が甚だしければ膠飴を入れずに、なぜ甘草の量を倍量(4両)に増やさないのか、という疑問にぶつかる。芍薬甘草湯は、筋中の血行をよくして切迫症状を緩和し、両腹直筋の異常緊張をゆるめ急痛、疼痛を治す、働きがある。付け加えるならば、陽気を救い疼痛を治す「加附子」も考えられないだろうか。このことからも、小建中湯は桂枝加芍薬湯証の腹痛がよりひどくなった状態に膠飴を加えるといった考え方ではなく、収縮した血脈を緩め、血分を滋潤することにより、腹中急痛、心中悸シテ煩スル、症状を、「膠飴と芍薬」、「膠飴と甘草」、「膠飴と大棗」がペアーを組んで力を発揮するのではなかろうか。

小建中湯の主な二味の薬徴

膠飴・芍薬    :       膠飴・大棗         :      膠飴・甘草

常用量   10−30g

 症例  主訴は、生理不順治したい。

40才女性。身長150㎝、体重40㎏。

 疲れやすく、足が冷えやすい。声も小さく、たまに下痢気味になる。貧血気味なのか生理前にフワフワする。乗り物酔いがある。肩首の凝り、生理はここ2年来ていない。帰耆建中湯を服用して6ヶ月お尻のできものは大部良い。疲れと生理不順だけが残っている。その後、腹痛がひどくなり腰まで痛くなることが出てきた。膠飴20gを40gに増やした。その後4か月、疲れが減り、帯下が出るようになり、先月茶色帯下となってきた。生理痛みたいな腹痛も感じている。現在も同じで服用中。

まとめ

 飴は能く胃の気を助け、脾を和し、腸胃を寛にする。また血分を寛にする、多く食べれば必ず歯を損じると漢法ルネサンスにある。田畑先生にこの飴の大切さを教えていただき、先生自家製の飴のおかげで助けられたお客様は数知れない。飴作りは、もち米をふかし、その中に芽が出始めた大麦をよく混ぜる。鏡餅の大きさに固めて、お湯を引いた浴槽の上に一晩寝かせる。翌日もち米が糖化されておいしそうな飴の出来上がりである。実はここからが大変。糟と飴を遠心分離機にて分けるのだが、コップいっぱいの飴をとり出すのに半日を要した。しかもお風呂の温度が高すぎて糖化が進みすぎてすっぱい飴の出来上がり、初めての飴作りの失敗談である。余談では有るが、この飴作り以降、飴の魅力に取り付かれ、真岡の塚田先生からご紹介を受けた金沢の水あめを取り寄せたことがあった。さすが本場、もちの10倍はあろう粘りは、私の歯の中の詰め物をすべて剥がしてしまった。「多く食べれば必ず歯を損じる」を、身をもって理解した一幕であった。

第22回無門塾の募集について

毎月第二日曜日、北里大学薬学部(港区白金)にて、医師、薬剤師、鍼灸師を中心に漢方の勉強会をおこなっております。

ご興味の方は、むつごろう薬局までご連絡をください。

TEL;054-247-6006

詳しくは、http://mumon.org/

をご覧ください。