西洋医学で治りにくい病気こそ“漢方”の出番です…皮膚病、不妊症、癌、膠原病など

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この時期、黄金の薬草がそびえ立ちます。これは、おけら(蒼朮)です。春が来るまで枯れても堂々と立っています。この強さが人間の体の胃腸や、水毒を救います。


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漢方音楽が、出来上がりました。作曲家の小松正史さんと作りました。2018年12月7日にリリースされます。むつごろう薬局・むつみ薬局・京都にて数か所で同時販売致します。ご予約を受け付けています。


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右と左 (漢方勉強会・無門塾での発表)

2016年11月17日

平成28年度・無門塾(第21回11月)北里大学薬学部(港区白金)【平成28年11月13日、13時30分〜14時00分】

 

 

右と左

 

 漢方相談をしていますと、右や左の半身に偏って症状が出ている方がいます。例えば、頭痛、肩こり、腰痛、足のしびれが右半身に多いといった具合です。その理由はわからないのですが、田畑先生からの口訣と「よくわかる金匱要略」からの薬方の使い分けより、生薬からの特徴を考察し応用につなげてみたいと思います。

 

 右循環、左循環 

例えば女性の場合、生理があるので血液にまつわる病気が多いのですが、その多くが「瘀血」といってお腹の周りに古血がたまっていることが原因となります。古血がたまると、生理痛、生理不順、不妊症、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などの婦人科疾患にとどまらず、痔、肝炎、胃炎、アトピー性皮膚炎、動脈硬化、果てはガンに至るまで限りなく悪さをします。東洋医学では`おへそ`に近い部分(左右)を押してみると顔をしかめて痛む方がいます。これが、瘀血の圧痛点と言い、微小循環障害の証拠となります。治療は、古血を除く方法をとるのですが、右と左では使う漢方薬が違ってきます。右の横綱の名は、当帰芍薬散。左の横綱は、桂枝茯苓丸と言います。このことでもわかるように、使い分けの理由は不明でも、経験から左右の循環を区別していたと考えられます。右半身の循環を良くする当帰芍薬散は、血と水に働く漢方薬で体を温め血行を良くし余分な水分を除きます。左循環の桂枝茯苓丸は、気の回りを良くし、ドロドロした、油が多い血液を溶かして排出せる働きをします。したがって、右半身に症状が多く出る方は、水分代謝が悪い方なのかもしれません。むくみやすい、目が回りやすい、立ちくらみが気になる、気圧に影響されるといった方が多いのではないでしょうか。

 

 イライラは左の循環 

「よくわかる金匱要略」の中に江戸時代の漢方医、宇津木(うつぎ)昆(こん)台(だい)の言葉が載っています。「一切の病に、表裏上下の区別があり、三十年の経験からどんな病気でも左右の区別があり、特に中風の病は左右によって治療が大いに異なる。」と。左の麻痺は体力気力が充実した方(陽実)が多く大柴胡湯や続命湯を使い、右は疲れ気味、冷え症の方(陰虚)で当帰芍薬散や附子湯(真武湯も含む)を上げています。

 大柴胡湯はよく肝臓病に使います。肝臓が悪い方の肋骨下を押してみると苦しく吐き気を催します。漢方医学ではこのことを胸脇苦満といって大柴胡湯のように、柴胡が入った薬方で治していきます。西洋医学では肝臓は、血のダムと言ってたくさん血液を含んでいます。ダムがせき止められれば循環も悪くなり、イライラ感、不安感と言った精神症状が出てきます。左半身の血液循環は、肝臓の働きにも影響されるのです。また、生理前にイライラするのもこれが原因です。月経前症候群(PMS)と言って、月経前にイライラ、落ち込み、疲れがひどくなる方がいますが、これは女性のホルモンが一度に肝臓で分解されるため起こってきます。

 

月経前症候群(PMS)を救った柴胡桂枝湯

 31歳の女性。身長155kg、体重55kg。不妊症の相談。3年前に流産をされてから精神的に大きなショックを受けていて、常に疲れやすく手足腰が冷え、時々顔がのぼせます。大便は便秘気味で、小便は日に8回と多く、めまい立ちくらみがあり、唇は常に荒れていて、肩こりや首筋のこりがあります。生理周期は33日ぐらいで、運動不足、甘いもの、油物が大好き。温経湯を1ヶ月服用ご体重は1.5kg減り、体が温まってきました。服用して3ヶ月が経ち、症状は改善されてきましたが、まだ妊娠には至りません。その頃、生理前の左肩、首の凝りと夕方の頭痛(特に左が強い)、胸から頭に、ドッドッと何かに突き上げられる感じがして、汗がひどく出て苦しい、めまいもひどいと言われました。よくよく聞いてみると、今までも左側に症状が出やすかったそうです。漢方薬を柴胡桂枝湯に変えました。これらの症状が服用後すぐに無くなり、その後1ヶ月で無事妊娠されました。現在は2人目に向けて頑張っています。

 

 

(参考文献)

漢方フロンティア       田畑隆一郎著         源草社           

よくわかる金匱要略     田畑隆一郎著         源草社

傷寒論講義          奥田謙蔵著          医道の日本社 

 

 

静岡県静岡市葵区東草深町22-1 むつごろう薬局 薬剤師 鈴木寛彦