31歳女性 身長163cm体重51kg 不妊歴4年
両側の卵巣に、多のう胞性卵巣があって排卵しづらい。体外受精も何度か試みたが効果が出ない。
体質的には、冷え性・むくみ・低血圧・便秘・色白で、ぽっちゃりとしたタイプ。横になった時に、お腹の中で、水の音がチャポチャポ聞こえることがある。
漢方では、こういう体質の方を、"水毒体質(すいどくたいしつ)"と言います。これは、体に余分な水が溜まっている状態で、"不妊"の原因となります。この方には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という水毒体質を改善する漢方薬をお出ししました。そうすると、飲み始めて1週間が経った頃、水っぽい下痢になったと連絡がありました。これは、漢方では、"瞑眩(めんげん)"と呼んでいます。漢方薬を服用することで、お腹に溜まっていた水毒が、下痢となって体外へ排出されたのです。下痢は、1週間ぐらいすると落ち着いてきて、その後、むくみやお腹の中の水の音、冷え性などが改善していきました。そして、漢方薬を服用して4ヶ月が経った頃、自然妊娠されました。
流産癖 32歳女性 身長153cm体重39kg
過去に3度、自然妊娠したが、3回とも5~6週目で流産。一度は、心拍が確認されたことはあったが、残りの二回は、心拍が確認できなかった。体質的には、かなりの冷え性で、下痢をしやすく、かなり痩せている。また、たべても太りにくくて疲れやすく、根気が続かない。好きな食べ物は、ヨーグルトやアイスクリーム、バナナなどの体を冷やす物が多い。
漢方では、こういうタイプの方の体質を、"裏急後重(りきゅうこうじゅう)"と呼びます。これは、お腹(胃腸や子宮などに力が無いため下しやすく、お腹の筋肉が硬く縮こまっているような人のことを指します。こういうタイプの方は、お腹(子宮)で、赤ちゃんを育てる余裕がなくなっている(血液の流れが悪くなっている)ため、流産癖や不育症を起こしやすくなります。漢方では、お腹の筋肉を柔らかくして血行を良くする"当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)"という薬を使います。この方にも、当帰建中湯を飲んで頂いた所、約4ヶ月で自然妊娠されました。そして、そのまま漢方薬を飲み続けて頂き、無事にお産することができました。
34歳女性、身長168cm体重55kg。3年前に妊娠5ヶ月で死産。
その後、不妊治療を行なうも、なかなか赤ちゃんを授からず、漢方薬を、と御来局。体質的には、かなりの冷え性で、特に下半身は冷たい水の中に浸かっているような感じで、触ると冷たく、腰痛、膝の痛みなどがある。また、めまいが起きたり、膀胱炎にもかかりやすく、汗は出にくい。生理周期は30日前後で、基礎体温は、低温期で36℃を切ることもあり、お腹の中で水の音がチャポンと聞こえることがある。好きな食べ物は、生野菜やヨーグルト、アイスクリーム、コーヒーなど。
漢方では、冷え性、めまい、お腹の中の水の音、膀胱炎、などの症状を"水毒"と考えます。おそらく、生野菜やアイスクリームなど体を冷やす食べ物を好むために、水毒体質となって、体が冷え、不妊になっていると考えられます。よって、水毒を除き、冷えを改善する"苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)"を処方しました。1ヶ月2ヶ月と飲んでもらう内に、冷え性はだんだん改善され、基礎体温も36℃を切ることはなくなりました。そして、半年が経った頃、自然妊娠され、そのまま流産することなく無事ご出産されました。
平成20年8月19日
38歳女性、身長156cm体重47kg。不妊歴4年。
月経周期28~35日。月経期間5~6日。月経痛は、かなり激しく1日目と2日目には鎮痛剤を服用。高温期になると、体温は37℃を越えることもあり、倦怠感や胸の張り、下痢などの症状が現れる。また、普段から、肩こり、片頭痛等があって、神経質で夜眠れないこともしばしばある。
漢方では、これらの症状がある患者さんを"血熱体質(けつねつたいしつ)"と呼びます。血熱とは、血が熱を持っているという意味で、"不妊"の原因になることもあります。この方には、血熱を冷ます"柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)"という薬を服用してもらいました。すると、しばらく飲んでもらううちに、高温期になると起こる不快な症状(だるさ・下痢・微熱など)がなくなっていき、夜もぐっすり眠れるようになりました。そして、7ヶ月間服用後に、無事自然妊娠されました。

