33歳女性 身長162cm体重61kg

 赤ちゃんを作ろうと考えて5年が経っているがなかなか授からない。昨年から病院でタイミング療法を行なっている(クロミッド、黄体ホルモン剤等使用)。病院での検査では夫婦ともに異常はない。生理周期も2830日で、生理痛は少しあるが、たまにバファリンを飲む程度で大きな問題は無い。

 ただ、漢方的には、"水毒体質(すいどくたいしつ)"がうかがえる。

 例えば、顔色は水っぽいような色白で、じとじとした汗をかきやすく、お腹の肉は柔らかくブヨブヨとしているとのことだった。また、全身に(水っぽい)湿疹ができやすく、つぶすと黄色い液が出るという。食べる物の好みは、果物(ミカン、バナナ、イチゴなど)や生野菜、飴やチョコレートなどの甘い物が多い。それと、コーヒーも1日に45杯は飲むとのことだった。また、アレルギー性鼻炎もあり、冷え性である。

 漢方ではこういう体質を"水毒"と呼ぶ。これは、身体に余分な水が溜まっている状態で、"不妊症"の原因になる。まずは、水毒を改善する防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方した。すると、1ヶ月が経ちご来店されると、とてもニコニコとされていた。妊娠されたのかと思ったが、そうではなく、体重が3kg落ちたとのことだった。漢方薬を飲むようになってから、お小水や大便がたくさん出るようになり、気が付いたら体重が3kg落ちていたそうだ。肥満も不妊症の原因になるので、体重が落ちることはとても大切である。引き続き防已黄耆湯を飲んでもらった。その後は、体重はさらに2kg落ちたが、それ以上はなかなか減らなかった。ただ、全身に出ていた湿疹は出なくなり、体調が良かったので、引き続き同処方を飲んで頂いたところ、約1年後に自然妊娠されました。

 

35歳女性 身長156cm体重53kg 不妊歴4

 3年間、自然周期でタイミングを合わせていたが妊娠できず、去年より病院へ行き始めたそうですが、夫婦とも特に異常はないと言われたそうです。ただ、奥様のほうが、冷えや肩こり、生理痛が強いために、漢方で体質改善を、と御来局されました。

 基礎体温表を見せてもらうと、排卵日は16から19日目(正常1415日目)とやや遅れ気味でしたが、体温は高温期と低温期がしっかりと2層に分かれていました。顔色は、色白で貧血っぽく、血圧は上が80から90、下が50から60と低めでした。また、生理の頃になると、肩がこり、首筋が張って、頭をしめつけられるような感じがあり、生理痛も激しくあります。

 好きな食べ物は、甘い物で、週末にはビールやワインを飲みます。油っこい食べ物は、胃もたれなどを起こしやすいため、たくさんは食べられません。

 

漢方では、生理前後などに、頭がしめつけられる状態になることを"頭冒(ずぼう)"と呼んでいます。頭冒になりやすい体質の人は、「水毒」や「血虚」の人です。水毒とは、身体に余分な水が溜まっている人のことで、血虚とは、血が薄まって足りない状態の人のことを言います。こういう状態の時には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という漢方薬を使います。この方にも当帰芍薬散をお出しすると同時に、身体を冷やすビール・ワインを日本酒に変えてもらい、水っぽい生野菜や果物を控えて、血虚を治す、ごはん(できれば玄米)や根菜、豆、肉、魚を多くとるようにアドバイスしました。

2ヵ月もすると、生理時の頭痛や下腹部痛がなくなり、顔色もだんだんと良くなってこられました。そしてこの頃から、縄跳びも一日1000回を目安に頑張ってもらうことにしました。それから、血圧も上が100を超えるようになり、半年後に自然妊娠されました。

 

 不育症 37歳女性 身長153cm体重38kg

 結婚して12年が経過し、これまでにタイミング療法などで4回ほど妊娠するものの、すべて610週で流産してしまうと言います。子宮内膜症や卵巣のう腫などの病気は特に無いそうです。

 私の見たところ、この方は非常に痩せており、色白で、栄養失調(貧血)気味に見えましたので、「胃腸は弱くありませんか?」とお尋ねしたところ、「冷たい牛乳などを飲むとすぐ下痢をしてしまう」とのことでした。また、この方は、身体を冷やす、果物やアイスクリーム、甘い物を好むようでした。舌びらを見せてもらうと、舌は湿っており、縁(ふち)にはギザギザと、歯型が付いていました。また、ご主人様には特に問題は無いようでした。

 私はこの方にはまず、「もう少し胃腸を丈夫にして、身体に栄養を付けさせてあげたいですね」と申し上げました。舌の縁がギザギザしているのは、胃腸に余分な水が溜まっているせいで、このために身体が冷えて弱り、赤ちゃんを育てる力が出てこないと考えられます。そこでまず、胃腸の余分な水を取り除く、人参湯(にんじんとう)という漢方薬をお飲みいただきました。すると、飲み始めた頃に、お小水がたくさん出て、だんだん身体が温まってきたとのことでした。それから、人参湯を2ヶ月間続けて頂いたところで、子宮に栄養を付ける、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)という漢方薬をお出ししました。この薬には、もち米から作った"飴"が入っており、子宮に力(栄養)を付けていきます。そして、この薬を約半年間続けて頂いた頃、自然妊娠されました。そこで、つわりがひどい時以外は、この当帰建中湯を続けて頂くことにしましたところ、無事流産することなく、ご出産に至ることができました。

 二人目不妊 37歳女性 身長160cm体重56kg

 29歳の時に自然妊娠し、30歳で出産。その後、32歳より二人目を考えているがなかなか授からない。基礎体温は二層に別れ、月経周期は2833,4日と大きな問題は無いが、一人目を産んでから体質が変わったと言う。

 一人目を妊娠する前は、月経周期は2527日とやや短めで、生理痛が激しかったが、今は周期が延び、生理痛もない。ただ、産後から茶色いおりものが出るようになり、少しのぼせるようになったと言う。また、冷えは昔からひどく、お腹やお尻はいつも冷たいと言う。

 漢方では、こういう婦人の体質を"上熱下寒(じょうねつげかん)"と呼びます。これは、顔や手などの上半身はほてるのに、お腹や腰、足などの下半身は冷える、といった状態です。上熱下寒の原因は、お腹(子宮)の冷えにあります。また、この方の場合、産後から茶色いおりものが出るようになったと言われていますが、これは産後に悪路などが子宮に残り、血行不良になっていると考えられます。こういう場合、漢方では、温経湯(うんけいとう)と言う経(子宮等)を温める漢方薬を使います。この方の場合、温経湯を1ヵ月服用した時点で、おりものが無くなり、お腹が温かくなってきたと言われておりました。そして、約1年間続けてもらったところ、無事自然妊娠されました。

34歳女性身長161cm体重57kg 不妊歴7年 多嚢胞性卵巣

通院歴5年 AIH12回 顕微受精2

 5年間不妊治療を行なうも、HMG注射を使用すると卵巣が腫れるようになり、不妊治療を休むことにした。が、その後、半年経っても生理が来ず、漢方薬でホルモンバランスを整えたいと御来局された。

 体質を伺ってみると、冷えのぼせがあり、身体が急にカーと暑くなることがあり、更年期ではないかと心配されている。ただ、漢方的に診ると、これは不妊(ホルモン剤や誘発剤)治療を行なっているとよく起こることなので、そんなに心配はない。漢方ではこの状態を、"血熱(けつねつ)"と呼んでいる。血熱とは、ホルモン治療などを継続的に行なうことで、解毒作用に追われる肝臓が負担を来たし、血液が熱を持った状態のことをいう。人によっては、体温が高めに計測されることもある。また、生理も止まることが多い。漢方では、こういう状態の時、柴胡(さいこ)という薬草の入った処方を用いることが多い。

 この方には、加味逍遥散(かみしょうようさん)というお薬を処方した。すると、一週間が経った頃、若干の微熱があり、下痢になったという。これは、漢方で言う好転反応です。身体に溜まっている毒素(ホルモン剤など)が解毒され、体外に排出される時の症状です。ですので、しばらく同じ処方を続けてもらいました。そして、2ヵ月が経った頃、自力で生理が来ました。その後は、生理周期も安定し、約1年半後に、自然妊娠されました。

今月のおめでた

むつごろう畑の
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  • 現在のシャクヤクの大きさです。これで5年目です。今年はそろそろ収穫どきかな?

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  • お城の薬草園にトウキの花が咲きました。香り感じないのですが、早くも虫たちがたくさん集まっていました。

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