3年前より不妊治療を行っているが妊娠できない(AIHなど)。病院の検査では、奥さんのほうには特に問題は無かったが、ご主人様の精子数が3000万個/ml、運動率が25%とやや少なめということだった。ご主人様の体質は、お腹を下しやすくて、疲れやすいとのこと。また最近精力も減退しているとのことだった。食欲はあり、ビールやコーラなどをよく飲む。煙草は1年前に止めている。汗はかきやすく寝汗も良く出る。

漢方薬の黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を朝1回、晩に八味丸(はちみがん)を30粒飲んでもらうことにした。また、コーラを控えるようにすることと、ビールも飲み過ぎないようにとお伝えした。飲みはじめて1ヵ月後、寝汗が無くなりよく眠れるようになったという。それからさらに1ヵ月後、前のように下痢をしなくなり、疲れにくくなったと言う。また、精力が出てきたとのこと。そして同じ処方をさらに1ヶ月服用した頃、病院で精子検査を行ったら、精子数が5000万個/ml、運動率が50%に上がっているとのことだった。それから約半年が経った頃、無事に自然妊娠された。

この方の場合、まず黄耆建中湯で腸を丈夫にし、八味丸で、生殖器に力を付けていった。

2年前より体外受精を始めた。1度目の採卵ではHMG注射を行い、7個採卵できた。そのうち4個が受精したが、移植してもすべて育たなかった。2度目の採卵では注射は行わず、クロミッドを服用し、点鼻薬(スプレキュア)を使用したところ、卵は2個採卵でき、そのうちの1つは胚盤胞まで育てて移植した。すると、妊娠反応で陽性が出たが、その後育たず、心拍は確認できなかった。さらに3度目の採卵でも同様、胚盤胞まで育った受精卵を移植したが、やはり育たなかった。そのため、漢方で体質改善をしてみようとご来局された。

体質は、便秘(3~4日に1回)で顔色は赤ら顔、舌の裏は紫色の血管が浮き出ていた。生理痛は20代前半から激しく、いつも鎮痛剤を飲んでいる。またふだんから頭痛も起こしやすく、鎮痛剤はよく飲む。

漢方的にみると、典型的な瘀血(おけつ)体質だ。瘀血とは、血がどろどろしている状態のことをいう。また、この方は汗をかきにくく、足もむくみやすい。過去に何度かダイエットを試みたこともあるが、あまり効果がなかった。漢方薬は、瘀血を取り除く桃核承気湯(とうかくじょうきとう)と、体に溜まった余分な水を出す防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を交互に飲んでもらうことにした。すると、飲みはじめてすぐに大便が毎日出るようになり、2週間が経った頃からむくみもなくなってきた。また、飲みはじめて3ヶ月が経つ頃には体重が80kgまで落ちた。その後、また病院で採卵し(2個採卵でき、1個が分割せず、1個が胚盤胞まで分割)、移植を試みたところ、妊娠反応が陽性になり、そのまま順調に育って無事ご出産された。

不妊治療を始めて3年が経過。AIHを6回やったが効果が無かった。基礎体温は低温期が35.7~9℃、高温期が36.4~7℃で、生理周期が24,5日と少し短め。お腹や腰まわりが冷えやすく、肩こり、頭痛あり。性格は神経質で外で我慢しやすく内に溜める性格。ご主人によると毎晩歯ぎしりをしているとのことだった。

漢方薬の抑肝散(よくかんさん)を処方。1ヶ月後にご来局されると、ご主人様いわく歯ぎしりが出なくなったとのこと。また、冷えも少し改善され、お腹も温まっているとのこと。同処方を継続してもらうこと3ヶ月、生理周期が27,8日に改善され、基礎体温も低温が36度台になり、高温期も36.7℃を越えるようになってきた。その約1ヵ月後、無事自然妊娠されました。

歯ぎしりをするタイプの方は、神経質でストレスを感じやすく、血の流れが悪化します。抑肝散は、緊張した身体を柔らげていくことで血の道を改善していきます。

 2年前より病院で不妊治療を行っている。検査では夫婦ともに大きな問題はない。基礎体温は、低温が36.0~3度、高温が36.5~8度。生理周期は28日で、生理痛はある。(1日目と2日目は鎮痛剤服用)また、便秘気味で5~7日に1回しか出ない。ビールやワインなどをよく飲む。手足は冷えやすく寒がり。

 漢方薬の当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)を処方。飲み始めると、手足は温まり、大便がほぼ毎日出るようになった。また、ビールやワインは止めてもらい、焼酎のお湯割か、日本酒(熱燗)を飲んでもらうことにした。その後は、お腹もよく温まるようになり、半年後、無事自然妊娠された。

 この方の便秘は、腸の筋肉が弱って起こる弛緩性の便秘である。こういう方に、下剤や、冷たい牛乳、ヨーグルトなどで排便を促すと、お腹の筋肉はいっそう弱り、極度の冷え症となって不妊の原因となる。こういう方の場合は、当帰や芍薬といった腸を温めて排便を促す薬草を使わなければならない。腸を温めれば、自然と便の動きがスムーズになり、便秘は改善される。そして腸の上に位置する子宮も温まり、妊娠しやすくなる。

今月のおめでた

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43歳女性 身長158㎝体重59㎏ 不妊歴8

 今までに体外受精を3回行ったが、いずれも、核が無かったりなどで採卵できなかった。夫婦とも検査では異常なところはない。基礎体温表を見せてもらうと、ちゃんと高温期と低温期に分かれ問題はない。体質的には、便秘傾向で肩がこりやすく、足が冷える。また顔は赤ら顔である。舌の裏側を見せてもらうと、血管が紫色に浮き出ている。これは漢方的には瘀血(おけつ)体質である。(瘀血とは、古血が滞り、血の流れが悪い状態。瘀血があると不妊になることがある。)性格はおおらかで明るく、プラス思考で、まだ一度も採卵できたことがないにもかかわらず、とても元気である。また、こちらが運動や甘い物を減らすようアドバイスをすると素直に受け入れてくれる。漢方薬は瘀血を除く桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を処方。約2ヶ月飲んだ後の採卵で卵子が3個採れ、そのうちの一つが受精し、一ヵ月後に移植したら、見事妊娠に成功した。

今月のおめでた

むつごろう畑の
近況報告

  • むつごろう畑が銀景色に包まれました。これで天日干し中の当帰の薬効が高まるかな?それにしても綺麗です。(H24年1月12日撮影)

    むつごろう畑が銀景色に包まれました。これで天日干し中の当帰の薬効が高まるかな?それにしても綺麗です。(H24年1月12日撮影)

トピックス情報

  • 毎日寒い日が続いています。比較的暖かな静岡ですが、駿府城薬草園はとても静かです。

    毎日寒い日が続いています。比較的暖かな静岡ですが、駿府城薬草園はとても静かです。