38歳女性 身長163cm体重54kg
今までに3回自然妊娠したが、いずれも流産。2回目と3回目の妊娠のときは心拍も確認できていた。その後、不妊治療を開始し、体外受精を5回行ったが、一度妊娠してまた流産した。
体質は、冷え性寒がりで、お腹も触ると冷たいという。大便は3~4日に1回、小便は日に~10回くらい。顔や足がむくみやすく、天気が悪いと頭痛がする。また、いらいら感があり、目の下にはくまがあって顔色は良くない。
この方には、まず始めに、いらいらを和らげ、流産による"お血(古血のとどこおり)"を取り除く加味逍遥散(かみしょうようさん)をお出しした。すると、飲み始めてすぐにイライラが和らぎ、大便の出が良くなってきた。また、3ヶ月がたった頃から、顔色も良くなり、目の下のくまも薄くなってきた。その後、体外受精をされるということだったので、流産防止の当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)をお出しした。
その後、体外受精はうまく受精したため、当帰芍薬散を飲み続けていただいたところ、流産することなく、無事出産することができた。
33歳女性 身長156cm体重42kg
6年前に一度自然妊娠したが、8週目で流産。心拍は確認できていた。しかし、それから現在に至るまで妊娠できない。病院の検査では夫婦ともに異常はない。体質は、とても寒がり・冷え性で、冬になると必ず両足の指先にしもやけができる。基礎体温は低温期が36.3~4℃、高温期で36.7~8℃で特に問題はない。ただ、他には便秘(3~4日に1回)があり、肩こり・頭痛・腰痛などがある。また、普段から冷たい水を飲んだり、ビールを飲んでいる。
この方は、痩せ型で、冷たいものをよく飲んでいらっしゃる。そのため、体が冷えて血行不良を起こし、しもやけ・肩こり・頭痛・腰痛などが起きている。もちろん、6年前に流産
をされたのも、血行不良によるものだと考えられる。この方には、まず冷たい水やビールを、温かいお茶や日本酒に変えていただき、漢方薬は、体を温めて血行を良くする当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を飲んでいただくことにした。一ヶ月、二ヶ月と飲んでいただくうちに、しもやけが治り、便秘が改善して体が温まってきたとのこと。そして頭痛や肩こり、腰痛なども起きなくなった。そのまま漢方薬を服用していただき、約半年後に自然妊娠されて、流産することなく無事にご出産された。
男性不妊 44歳 身長163cm体重60kg
精子数500~600万/ml 運動率10~20%
40代になってから下半身が疲れやすく精力も減退してきた、とのこと。また、最近トイレが近く、夜間にも3~4回小水にいき、冬場になると残尿感も出てくるという。体質的には、胃腸は丈夫で、大きな病気などもしたことはない。ただ、晩酌をするためか、夜になるとのどが渇くという。また、夏場には足の裏がほてる。
漢方では、こういう体質のことを"腎虚(じんきょ)"と呼んでいます。漢方では、"腎"とは、腎臓や生殖器、膀胱、前立腺などのことを指します。一般的に、年齢を重ねると、腎が弱くなり、精力も減退してきます。特に、若い頃、暴飲暴食をしたり、お酒を飲み過ぎたりすると、腎が弱くなります。この方には、腎を丈夫にする"八味地黄丸(はちみじおうがん)"を飲んで頂きました。すると一ヵ月後、夜間の小水が1回になり、残尿感が無くなってきたと言います。ですので同じ薬を続けて頂いたところ、徐々に精力も付いてきて、半年後の検査では、精子数が4000万/ml運動率が50%になっていました。そしてさらに服用を続けて頂いたところ、約1年後に無事自然妊娠されました。
不妊歴6年 36歳女性 身長149cm体重40kg
これまでの治療は、タイミング法とAIH4回。子宮筋腫と子宮ポリープがあり、手術で切除。プロラクチンが高いのでテルロン(プロラクチンを抑える薬)を服用している。体質的には、胃腸が弱くて冷え性、生理痛も激しい。また、かなり遠方からの御来局だった。
この方には、胃腸を丈夫にする小建中湯(しょうけんちゅうとう)と、体を温める当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)をお出しした。が、不思議なことに、漢方薬を飲み始めて五日後に電話があり、妊娠反応が出ているとのことだった。
これは、いつも着床していて、育つ段階で上手くいかず、漢方薬で子宮が温まって上手くいったのか、たまたまだったのか、もしくは遠方よりいらっしゃったことで、気分転換になり安心されたのか、いまだに謎である。
今月のおめでたH21年10月15日
36歳女性 不妊歴8年 身長166cm体重53kg
5年前に一度自然妊娠するも、6週目で流産。その後、AIHや顕微授精を試みたが効なく、漢方薬を試してみたいと御来局された。体質的には、手足が冷たく、冷え性で、偏頭痛が激しい。頭痛発作時には、鎮痛剤を服用。排卵時や生理前にも頭痛がある。また、肩がこり、疲れやすくて、冷えると腹痛、下痢がある。基礎体温の低温期が、35度台のこともある。好きなものは、果物が好きで、コーヒーも一日2から3杯飲む。下の裏側を見せてもらうと、静脈が紫色にうっ血していた。
この方の不妊は、子宮の冷えに原因があると考え、子宮を暖める当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を処方しました。すると、手足がよく温まり、偏頭痛が軽減してきたということでした。また、基礎体温も高くなり、低温期に、36度を切ることもなくなりました。引き続き、同処方を飲んでいただいたところ、3ヶ月もすると、下の裏側の静脈も見えなくなり、お腹もずいぶんと温まってきているとのことでした。それから約半年がたったころ、自然妊娠されましたが、若干の出血もあったため、処方を芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)に変えました。この漢方薬は、流産防止としてよく使用します。すると、出血も止まり、無事流産することなく、ご出産されました。

