37歳男性 身長176cm 体重74kg

 炎天下の中での畑仕事中、気分が悪くなり、軽い頭痛と吐き気をもよおす。身体を休めると症状は改善するが、また少し動き始めると頭痛、軽い動悸、息切れに襲われる。また、少し動くと顔から異常に汗が噴き出す。また、寝ても疲れが取れない。のどが異常に渇くわりに、飲んでも小水はあまり出ない。

 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を服用。身体がすごく楽になり、小水が何度も出る。三日ばかり服用すると疲労感も取れ、異常な汗や動悸、頭痛なども改善した。それ以来、夏場には柴胡桂枝乾姜湯が手放せないという。 

33歳女性 身長154cm 体重50kg 

 1年前よりのどのつまりを感じる。病院でみてもらったがどこも異常はない。性格はまじめで内向的。時々眠れないことがあり気分が落ち込みやすい。不安感は強い。

 漢方ではのどのつまりを咽中炙臠(いんちゅうしゃらん)と呼んでいる。これは、気分の停滞やうっ積が、水毒(水の停滞)を連なって、のどに"痞(つか)え"という形で現れている。神経質で内向的な人に起こりやすい。漢方では、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)という薬をよく使う。この方にもこの薬をお出しし、約3ヶ月でつまり感は完全に無くなった。中には息ができなくなるほど苦しむ人もいる。

65歳女性 身長156cm 体重60kg

 3年前より両膝が痛み始めた。特に左ひざはひどくなると水が溜まるため、病院で抜いてもらっている。また痛みがひどいときは、痛み止めの注射を打つ。

 体質的には、色白で汗をかきやすく、下半身はむくみやすい。また冬場は下半身が冷え、膝の痛みも悪化する。また、食べるものは甘いものが好きで、果物をよく好む。

 漢方では、こういうタイプの方の体質を"水毒体質"と呼んでいる。水毒とは、体に余分な水が溜まりやすく、関節痛や神経痛などを起こしやすくなる体質である。この方の場合も、甘いものや果物を好むため、体に余分な水が蓄積し、膝の痛みを起こし始めたと考えられる。特に女性の場合、閉経すると体が冷えやすくなって関節が弱くなる。

 この方には、体の余分な水を取り除いてひざの痛みを直す防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方した。飲み始めて一ヶ月がたつと、小便がよく出るようになってむくみが減った。さらに飲み続けて3ヶ月がたつと、ひざに水が溜まらなくなり痛みをとれてきた。ひざの痛みもとれてきたので、防已黄耆湯を飲んでもらいながら運動(ウオーキング1時間程度)をしてもらうようにした。その後、痛みは出なくなり、半年後に漢方薬を止めたが再発はみられない。

62歳男性 身長169cm体重66kg

 40歳ころより糖が出始め、血糖値300、HbA1C9になったころからインスリンを注射し始めた。インスリンを注射し始めてからは、血糖値は180mg/dl、HbA1C8くらいに落ち着いているが、そこから改善が見られなかった。自覚的な症状としては、口の渇きと夜間の頻尿(2~3回/日)があり、他にも下半身のだるさと腰痛、精力減退がある。また、腎機能がやや低下し始めた。クレアチニンが2mg/dl前後である。

 まず漢方では、糖尿病を治療する際、単に血糖値を下げるというのではなく、その病人が、糖尿病になりやすい体質そのものを改善していく。この方の場合、糖尿病性腎臓病を併発し、夜間尿や精力減退があることを考えると、漢方でいう"腎虚(じんきょ)"の状態である。腎虚とは、腎臓や生殖器を含めた下半身機能の低下である。下半身機能の低下は、主に老化や暴飲暴食、運動不足などが原因であるが、下半身機能の低下は、血液中の糖代謝をてきめんに悪化させる。よってこの方には、下半身機能を活発にさせる八味地黄丸(はちみじおうがん)を処方した。

 飲み始めて一ヵ月後、まず最初に変化がみられたのが精力のアップだった。そして下半身のだるさや夜間尿も少し良くなった。さらに二ヵ月後に、血液検査を行ったところ、血糖値154mg /dlHbA1C7.1と改善が見られた。その後は、急速に血糖値が改善されることはないが、クレアチニンの改善(1.5mg/dl前後)もみられ、現状維持の状態が続いている。

58歳女性 身長157cm体重60kg

 3年前より手のひらと足の裏に湿疹ができ、病院へ行くと掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と診断された。病院ではステロイド剤を処方されしばらく塗っていたが、肌が次第にカピカピに乾き、分厚く硬くなった。また、夜になると手のひらと足の裏が熱くなり、痒みが増し、かくとぽろぽろと皮が剥ける状態になる。約1年間ほどステロイド剤を塗ったが改善が見られず漢方薬を試してみようとご来局された。

 体質的には、瘀血(おけつ)体質で、血糖値がやや高い(ヘモグロビンA1Cが6~7%)。のどの渇きがあって、手のひらと足の裏は赤く熱を持っている。舌を見せてもらうと、白い苔がたっぷりとついている。

 漢方ではこういう状態の体質を"血熱(けつねつ)"と呼んでいる。これは、血液に"熱"がこもっている状態である。閉経後の女性や子供によくみられる。漢方では血熱には地黄(じおう)という薬草をよく使う。この方の場合にも、地黄の配合された三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)を処方した。また、外側から皮膚の再生を促す紫雲膏(しうんこう)を塗ってもらうことにした。初めの一ヶ月は、ぽろぽろと皮がむけることも多かったが、二ヶ月ぐらい経った頃から、新しく出てくる膿胞が少なくなり徐々に消失していった。その後約一年で根治し、再発はみられていない。

今月のおめでた

むつごろう畑の
近況報告

  • 現在のシャクヤクの大きさです。これで5年目です。今年はそろそろ収穫どきかな?

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  • お城の薬草園にトウキの花が咲きました。香り感じないのですが、早くも虫たちがたくさん集まっていました。

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